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導入事例

投資物件の状況をリアルタイムに把握 スピーディな情報開示で信頼向上に寄与 −ケネディクス・リート・マネジメント−

日本での不動産の管理や運用に対する意識が、ドラスティックに変化している。
証券化技術の進展で、不動産が流動化資産として活用されやすくなったのも、背景の一つ。
法規制が緩和され2000年には、J-REIT(日本版不動産投資信託)が誕生した。
さまざまな投資家が不動産投資市場に加わることで、より効率的な不動産管理や物件の付加価値向上が求められるようになってきた。

宮島大祐氏2006年11月末現在、J-REITは40銘柄、4.5兆円の市場規模に成長している。ケネディクス不動産投資法人は、国内21番目の銘柄として2005年7月に東京証券取引所に上場。東京経済圏の中規模オフィスビルに重点的に投資する戦略が特徴で、母体となる不動産アセットマネジメント会社「ケネディクス」の長年のノウハウが生かされた不動産投資信託だ。

運用を担当するケネディクス・リート・マネジメントでは、同投資法人のポートフォリオである65物件を19名のスタッフで運営・管理している(2006年12月11日現在)代表取締役社長の宮島大祐氏は、運用対象としての中規模オフィスの魅力を「マーケットの大きさ」と説明する。

退去率高い中規模オフィスビル

オフィスビル「東京の事業会社の9割以上が29名以下の中堅・中小企業です。こうした企業がテナントとして入居する中規模クラスのビルは従来、個人や中小企業、中型の不動産会社がオーナーとなっていることが多く、メンテナンスや設備投資の面で、ややもすると非効率な運営がなされています。投資法人として数多くの物件をまとめて修繕・管理することで、コストを抑えながら質の高いオフィスを提供することが可能です。オフィスを投資対象とするJ-REITは、大型ビルで運用するタイプが多く、競合になりづらいことも利点。」(宮島氏)

オフィスビル加えて、中規模オフィスビルは、テナントの企業規模ゆえに入退去率が相対的に高いと言われる。「大型オフィスビルの退去率が3〜4%程度であるのに対し、当社が運用するREITの2006年の退去率(年率)は、第3期が6.1%、第4期が予測値で12.3%です。」(宮島氏)東京都心でのオフィス需要が活況な現在、新規契約の比率が高まれば「相場賃料にキャッチアップしやすい」と宮島氏は判断する。実際、ケネディクス不動産投資法人の保有物件での新規契約賃料水準が増加したのは新規の賃貸面積ベースで79%分である(2006年第3期)。2006年12月の決算発表で、オフィスビルにより軸足を据えた投資方針を打ち出した同社。「ポートフォリオの戦略的な変更も、きめ細かい物件管理ができてこそ。@propertyの貢献度は高いと評価しています。」(宮島氏)

本来業務にリソースを集中

 ケネディクス・リート・メネジメントが、不動産管理支援システム「@property」(@プロパティ)を導入したのは、REITの上場を間近に控えた2005年6月のこと。「物件管理が格段に効率化できる」と宮島氏が評価するASP(アプリケーションサービスプロバイダー)サービスである。
その仕組みを説明すると、下の図のようになる。点在する不動産運用データをインターネットデータセンター(プロパティデータバンクが自社構築・運営)に一元的に集約。アクセス権限を持つ者だけがウェブ上で閲覧や入力といった操作ができる仕組みになっている。複数の現場担当者でも同じフォーマットで入力できるため、情報の整理や共有が正確かつスピーディになる。

同社では、個別の物件管理を統括するプロパティマネジメント会社と資金的な事務代行を担う信託銀行の3社で情報を共有化させている。「物件ごとの稼働率や入退去の状況をいつもリアルタイムで把握できるので、より効率的で戦略的な不動産運用を目指すことができます。」(宮島氏)

@プロパティを導入したことで、19名のスタッフの働き方が違ってきたと宮島社長は説明する。テナントのサポートや物件のバリューアップ、投資物件の取得といった資産運用会社の本来業務にリソースを集中することができるようになった。例えば、全オフィスビルへのCS(顧客満足)調査もその一つ。74%の回答率を得たこの調査により、女性の洗面所やエントランスなどの修繕を実施したビルもある。今後も3年に2回のペースで実施する方針だ。

@プロパティの仕組みとメリット

スピーディな対応を可能に

同社が運用する物件のエンドテナント数は現在、1400を超える。テナントからの賃料遅延状況といった資金面の管理を効率化できた点も@プロパティの強みだと語る宮島氏。
「従来のやり方では、テナントから賃料の入金に遅れがあった場合、プロパティマネジメント会社からは各社各様の報告があり、それを取りまとめて事務代行の信託銀行に伝わるまでには3〜4日のタイムラグが発生してしまいます。@プロパティなら、翌日には遅延の情報を共通して認識できます。属人的な業務を標準化し、自動的なアクションプランに移す体制も確立しています。」

導入当初こそ新しい仕組みに抵抗感のあったプロパティマネジメント会社も「指示が的確で素早いため、やるべきことがはっきりし、業務が進めやすいとの評価を頂いています。」(宮島氏)
スピーディな対応は、REITの運用にもプラスに働く。最近では、投資家からの情報開示の要求が飛躍的に高まっている。「REITは決算期(半年)ごとにすべての物件の稼働率を開示しなければなりません。報告が遅くなればそれだけ投資家にとって価値が薄れてしまう。弊社では期末から1ヶ月以内には開示しています。」(宮島氏)
2007年以降、さらに運用資産を拡大していく方向の同社。宮島氏が「ローコストで質を高めていくツールとして@プロパティという選択肢は存在意義が大きい」と語るように、投資物件が増えるほど、活用メリットは高まりそうだ。

株式会社ウェッジ発行『WEDGE』2007年2月号より

ケネディクス・リート・マネジメント株式会社
URL http://www.kenedix-rm.com/
所在地 :東京都千代田区丸の内1-8-2
設立年月日 :2003年11月28日
資本金 :2億円


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